読みもの / AQUARIUM JOURNAL
エンドラーズを「小さなグッピー」と紹介する文章を見かけますが、分類を調べるとPoecilia wingeiという学名に出会います。普通名だけで話を進めず、資料がどの種を指しているかを確認すると、購入や繁殖の記録も整理しやすくなります。
Poecilia wingeiは2005年に記載された
Poeser・Kempkes・Isbrückerによる2005年の論文は、ベネズエラのパリア半島地域に関係するPoecilia wingeiを新種として記載しています。論文は従来のグッピーPoecilia reticulataとの関係を検討し、色彩だけでなく行動の違いにも触れています。
2005年はこの記載論文の年であって、その魚が自然界に現れた年という意味ではありません。
現在の分類資料では別の種名として調べる
NCBI TaxonomyではPoecilia wingeiをspeciesの階級で掲載し、記載者と2005年を示しています。論文を検索するときは、エンドラーズという表記に加え、学名も使うと対象を確認しやすくなります。分類上の疑問は、販売写真だけより原記載や分類資料からたどる方が確実です。
| 表記 | 調べるときの役割 |
|---|---|
| グッピー/エンドラーズ | 日常・販売上の呼び名 |
| Poecilia reticulata | 従来のグッピーを調べる学名 |
| Poecilia wingei | 2005年の記載へつながる学名 |
| 産地・系統名 | その個体群や飼育履歴を調べる情報 |
小ささや一枚の写真だけでは確定しない
原記載が複数の特徴を検討していることからも、「小さいからwingei」「派手だからreticulata」と一項目だけで判断する方法は避けたいところです。幼魚と成魚、雌雄を混ぜた比較にも注意します。写真を見る場合は、学名の判断材料と観賞上の印象を分けてください。
購入時は販売名と由来をそのまま残す
販売店の表記に学名があるか、採集地や繁殖履歴について何が説明されているかを記録します。確認できない部分は不明と残します。後から見た別の個体の写真に似ているからと、購入記録の産地や系統を書き換えないようにしましょう。
繁殖履歴が分からない個体について、名前だけから交配履歴がないと保証することもできません。系統を維持したい場合は、購入前に販売者へ由来と管理履歴を確認します。
よくある疑問:別の名前なら同居だけで系統を保てる?
名前を書き分けただけでは、実際にどの親から子が生まれたかは管理できません。交配記録を目的にする場合は、同居履歴や親の識別情報も必要です。メスの精子貯蔵も、記録を考えるうえで重要になります。
Yokohama Aqualoop編集。公開資料と編集部作成の記録例を整理した記事です。当店の実験・実測や研究者による監修ではありません。資料確認:2026年9月11日。
参考資料
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