読みもの / AQUARIUM JOURNAL
TDSメーターにいつもと同じ数字が出ても、それだけで魚にとって安全な水と証明されたわけではありません。便利なのは条件の変化を追う使い方であり、個別の成分をすべて識別する装置として使うことではありません。
TDSメーターは何を見ている?
TDSは総溶解固形分を表す略称です。一般的な携帯型メーターは電気伝導率(EC)を測り、係数を使ってTDSへ換算します。Hanna Instrumentsの解説は、TDSとECの関係を水処理の用途とともに扱っています。機器の換算方式や設定は説明書を確認しましょう。
同じ数字でも中身が同じとは限らない
Hannaの測定上の注意は、溶解物のすべてがイオンになるわけではない点も挙げています。この測定原理から、TDSの値だけでは各成分の種類や量を特定できないと考えられます。アンモニアや亜硝酸など、知りたい項目はその項目に合った検査で確認します。
| 知りたいこと | TDSでの扱い | 追加の確認 |
|---|---|---|
| 前回から変わったか | 同条件の比較に使う | 水替え・添加・蒸発などの履歴 |
| 何の成分が増えたか | 単独では特定できない | 対象成分の検査 |
| 魚を入れてよいか | 一つの数字で決めない | 立ち上げ経過・必要な水質項目 |
| 別の機器と一致するか | 設定差を先に確認 | 単位・換算係数・校正 |
前回と比べる条件をそろえる
- 同じ機器と測定モードを使う。
- ECかTDSか、表示単位を記録する。
- 説明書に従って電極を手入れする。
- 採水容器や水温の条件を確認する。
- 値が安定してから記録する。
Hannaは温度の安定や電極周辺の気泡も測定へ影響すると案内しています。いつもより違う数字が出たときは、水質を変える操作の前に、機器と測り方も確認します。
「理想のTDS」へ合わせればよい?
魚種、使う水、飼育目的が違う水槽の値を、そのまま目標にしないようにします。塩類を足して表示を同じにしても、元の水槽の成分構成まで再現できたとはいえません。数値合わせではなく、何を測る目的なのかを先に決めます。
どんな場面で役立つか
同じ水の処理工程や、同じ水槽の経過を記録して、普段との差に気付く用途が考えられます。差を見つけたら、それを次の検査や点検の入口にします。pH・GH・KHの区別も合わせて読むと、一つの測定値に役割を背負わせすぎずに管理できます。
Yokohama Aqualoop編集。公開資料と編集上の確認手順をまとめています。メーカー監修・当店の実測結果を示すものではありません。資料確認:2026年9月11日。
参考資料
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